「まちづくり」って、何だろう?
コンセッションや長期契約の際に、上下水道のマネジメントだけではなく、付帯事業として「まちづくり」にも取り組んでいきたいという業界の声をちらほら耳にするようになりました。同時に「『まちづくり』が分からない」という声も聞かれます。
「まちづくり」って何だろう?
ということで、2025年2月12日の水マネ大学は、街制作室株式会社 取締役の渋谷正明さんに「まちづくりへのチャレンジ」をテーマに講義していただきました。
同社は商業施設を中心とした拠点づくりを中心にコンサルタントなどの総合プロデュース、デザインや設計、運営サポートを行っています。
ローカル文化を発信する居場所としての拠点、都市の新しい魅力あふれる憧れの拠点をつくる、そしてその拠点づくりをまちづくり・地域再生につなげることをコンセプトに、まちづくりに取り組んでこられました。
従来型の上位計画からはじまる一連のまちづくりの流れとは違う、しっかりとした拠点を創ることからまちづくりへアプローチするという手法が特徴的です。
丸の内エリアのような都心の大規模再開発も手掛けておられますが、沖縄の離島や地方都市などでは時に横丁や屋台村を成功させています。地方都市と比較すると事業成立の立地が良いと思われる旧横浜市役所の跡地開発でも、大きな区画の商業施設よりは横丁などの小さな区画が集まるコミュニティ型の商業施設が地域づくりまちづくりに有効だと提案して採用されたそうです。
これまでの経験から、人口減少下にある日本で自分たちがこれからの街の拠点づくりに必要なコンセプトを実現するには、かつてのような大規模施設一辺倒ではなく、時に「小規模区画の集合体によるまちづくり」でこそ、まちのポテンシャルを作り出せると指摘されていました。
「まちづくりとは、地域や社会を良くしていくこと」
そのための要諦は、
1、各プロジェクトごとに揺らぎないわかりやすいコンセプトをしっかりとつくって関係者全員が理解し、共有する
2、長続きできる、無理のない、身の丈に合ったマスタープランをつくる
3、1と2を瞬時に伝える、絶妙なキャッチコピー
にあると感じました。
「まちづくりは水業界のオソトですが、逆にまちづくり業界にとって水業界はオソト。オソトの意見がまちづくりの課題を解決するヒントになります」(渋谷さん)。
水業界からオソトに刺激を与えていきましょう!
詳しく知りたい方はぜひ水マネ大学2025年度で仲間になってくださいね。