インフラにイノベーションを起こそう!
2025年5月14日の水マネ大学は、東京大学大学院 下水道システムイノベーション研究室 特任准教授の加藤裕之さんに『「モノからコトへ』マネジメント時代におけるイノベーションと人材』をテーマに講義していただきました。
日本の上下水道インフラはほぼ整備が終わったので、これからは維持管理を起点に、「モノ」から「コト」「知識」、そして「イノベーション」(新たなニーズやアイデア)を創造する新しい『「ものづくり』のマネジメントサイクル』を回さないといけないと指摘されていました。
加藤先生が考えるイノベーションは「普及」することが大前提です。「発明」も新たなものを生み出しますが、普及はしてもしなくても「発明」です。でも、イノベーションは発明し、発見し、「普及」することが重要なのです。
そして、とある事象がイノベーションと言えるかどうか。新しいと言えるかどうかを判断する時に、自分なりの評価基準を持っておくとよいとのこと。加藤先生の評価軸は「効率が上がっているか」と「新たな価値(バリュー)を生み出しているかどうか」の2つだそうです。
また、イノベーションを起こす根源は、利他の心を持つこと。その考え方の糸口として、次のようなヒントをいただきました。
・人の本質から考える(トキメキ、わくわくがあるか)
・地域政策から考える(各課で判断できる技術を売るのではなく、市長が判断するような地域の総合行政を組み合わせた高い次元の提案を考える)
ただ、イノベーションを起こし、維持管理起点のインフラマネジメントを回していくには、分野横断的な発想が必要ですが、日本の上下水道界は行政も業界も縦割りの分業制という組織構造に限界があるとも指摘。それを乗り越えるために企業が業種を超えて連携する必要があるとおっしゃっておられました。
水マネ大のオソト思考で、業種の枠を融かし、イノベーションを起こしていきましょう。
詳しく知りたい方はぜひ水マネ大学2026年度で仲間になってくださいね。