うれしい未来をつかむ生活者分析
2025年8月13日の水マネ大学は、伊藤忠ファッションシステム(ifs)株式会社 ifs未来研究所 上席研究員の小原直花さんに「うれしい未来をつかむ生活者分析~ifsマーケティングの基本視点より~」をテーマに講義していただきました。
世の中には様々は事業や商品が存在しますが、それらを設計するにはモノ・コト・サービスを受け取る生活者や暮らしの理解が欠かせません。ifsはそのために必須である暮らしと生活者の価値観と実態をとらえるための調査と分析を続けておられます。その際に着目しているのが下記の3つの視点だそうです。
1、世代
2、見た目
3、気分
世代というと「ベビーブーマー」や「Z世代」などが思いつきますが、ifsではさらに細かく「ハナコ世代」「インスタ世代」など、20代から80代の生活者を12に分類しています(現時点。世代区分の参照はこちら(P8))。「世代」に着目するのは、「年代」のような移ろいが少ないから。
例えば、若い「年代」の人たちも、年を取ってシニアの「年代」になれば話題が移ろって病気ネタが多くなっていきがちです。でも「見た目」(ファッション、消費・暮らしに対する価値観など)や「気分」(消費の動機、暮らし方の方向性など)は、「世代」ごとにある傾向が維持されやすいのだそうです。
また、「気分」(消費の動機、暮らし方の方向性など)は時代のムードを醸すもの。社会情勢などを受け、年代や世代を超え共通して醸成されるものではありますが、その、例えばほしい気分を入手するための手段などには、それぞれの世代が保持している価値観や志向性などが反映されやすいとのこと。
下水道などインフラの広報に取り組むとき、対象は子どもか大人かといった具合に「年代」で考えることが多いですよね。でも1970年代に生まれた大人と、2000年に生まれた大人では、心に響く言葉や心地よいと感じることが異なっているかもしれないわけです。小原さんはこう言います。
「たかが世代、されど世代」
「世代」を踏まえれば、今までとは違った視点でもっと効果的なインフラ広報のあり方を創造できそうです。
もっと詳しく知りたい方はぜひ水マネ大学2026年度で仲間になってくださいね。