「知らせる」から「参加」そして「合意形成」へ

2025年2月26日の水マネ大学は、矢巾町政策推進監兼未来戦略課長(岩手県立大学客員准教授)の吉岡律司さんに『「知らせる」から「参加」そして「合意形成」へ』をテーマに講義していただきました。

矢巾町の吉岡律司さん

吉岡さんは、水道の老朽化が進む一方で、住民は「蛇口から出る水」には関心があっても、「蛇口の手前」には無関心であることに危機感を覚え、「知らせるための広報」に目覚めました。

しかし、「知らせる」だけでは伝わらず、試行錯誤、チャレンジ、失敗、そして再チャレンジを繰り返してこられました。

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そのチャレンジの1つとして取り組んだフューチャーデザインでは、住民と一緒に未来のまちを考え、住民の意見を政策に取り入れることを実現しました。この取り組みは、国内外から高く評価されています。

「現代は広報の時代であり、パブリックリレーションズの時代である」

今あるインフラのメンテナンスやリニューアルは、新しいものをつくることに比べれば地味で、その仕事が住民に評価されにくいものです。だからこそ、パブリックリレーションズが必要だという吉岡さんの言葉は、非常に示唆に富んでいます。

しかし、驚くことにこれは1967年に発刊された「行政広報論」という書籍に書かれている言葉だそうです。半世紀以上の間、行政広報は変わらなかったのか、はたまた新しい地平を切り開かねばならないのかもしれません。

「安全な水を作っていればいい、という神話からの脱却を!」

水インフラ界の人に向けた言葉には、首肯するしかありません。

吉岡さんの取り組みを詳しく知りたい方はぜひ水マネ大学2025年度で仲間になってくださいね。