会計を読めば上下水道の未来が見える
2026年9月30日の水マネ大学は、有限責任監査法⼈トーマツ 監査・保証事業本部 パブリックセクター・ヘルスケア事業部 パートナーの香田 浩一さんと、マネジャーの後藤 祥平さんに、公営企業会計の基礎と、財務指標を使った水道・下水道事業の経営分析について講義していただきました。
会計とは、組織のお金や財産の動きを記録し、関係者に分かりやすく伝える仕組みです。ただし公営企業会計は、予算の執行を管理する官公庁会計と、経営状況を示す企業会計の性格を併せ持っているため少し複雑です。
講義では、資産や負債の状況を示す貸借対照表、収益と費用を示す損益計算書、現金の流れを示すキャッシュフロー計算書の読み方を学びました。利益が出ていても資金が十分にあるとは限らず、1つの数字だけで経営の良し悪しを判断することはできません。
公営企業の分析で重要なのは、指標の「水準」「トレンド」「要因」を見ることだそう。総務省の「経営比較分析表」を使えば、経常収支比率や流動比率、料金・経費回収率、企業債残高などを、過去の実績や類似団体と比較できます。数字の変化の背景まで考えることで、事業の課題が見えてくるとおっしゃっていました。
人口減少で料金収入が減る一方、老朽化した施設の更新費は増えていきます。適正な料金を考える際には、現在の維持管理費だけでなく、減価償却や将来の更新投資、利用者が負担できる水準も含めて検討しなければなりません。
水インフラに携わる民間企業にとっても、自治体の財務諸表を読めることは大きな強みになります。技術や製品を売るだけでなく、相手の経営課題を理解し、持続可能な事業運営につながる提案ができるからです。
会計を読むことは、上下水道の現在地と未来を読むこと。数字を経営改善の出発点にする大切さを学んだ講義でした。
詳しく知りたい方は、2027年度の水マネ大で仲間になってくださいね。



